日本労働組合総連合会滋賀県連合会 連合滋賀

0120154052
連合滋賀2023新春の集い

連合滋賀2023新春の集い

 
2023年の新年を迎え、「連合滋賀2023新春の集い」を2023年1月6日(金)に琵琶湖ホテルにて開催いたしました。
来賓に三日月大造滋賀県知事、大村昭洋滋賀経済産業協会副会長を始め、各首長などの行政、経済団体や事業団体、各級議員、報道関係などにお越しいただき、連合滋賀の構成組織・地域協議会からご参集をいただきました。

連合滋賀2023新春の集い,琵琶湖ホテル,2023年1月6日,滋賀県,労働組合

連合滋賀白木宏司会長挨拶(要旨)

新年あけましておめでとうございます。
ビジネスの中で利用される用語の一つとして、近年は、VUCAの時代とも言われておりまして、先行き不透明で、将来予測が困難で、想定外のことが起き、既存の価値観やビジネスモデルが通用しない時代であると言われています。過去を振り返りますと、9.11、リーマンショック、東日本大震災、コロナ、ウクライナと予想外の出来事が起こっています。そして予想外のひとつである、世界中に猛威を振るった新型コロナウイルスとの闘いも3年が経過し、多くのことを学び体験し対応に臨んできたました。春には季節性インフルエンザと同等の5類相当にするとの報道もあり、コロナとの共存社会へとステージが変わる年となります。加えて、先日、アメリカの調査会社が発表した今年の10大リスクとして、1位にロシアのウクライナ侵攻、2位に中国習近平への権力の集中化など世界的な地政学的な動向による影響も懸念されています。日本においても2月の食料品の値上げが4300品目とピークを迎え、エネルギー高騰と相まって物価高に歯止めが効かず、私たちを取り巻く環境は極めて厳しく、激動の時代を迎えています。
 

-2023春季生活闘争について-

このような環境下で、2023年春闘が1月下旬に事実上スタートします。
日本の労働者は物価高・円安・コロナ禍の「三重苦」の中に置かれています。東京都では、低所得者支援として170万世帯に、25kgのお米を年明けから現物支給されると聞いています。先進国の首都で、主食を現物支給しなければならない現実を重く受け止めなければなりませんし、より弱い立場の人ほど、このような経済ショックの影響を大きく受けてしまっており、社会の分配構造を変える必要が出てきています。
そのような状況を踏まえて連合は、今次春闘を、「未来づくり春闘とし、暮らしをまもり、未来をつくる 賃上げでかえようあしたを!」をスローガンに、賃上げ分3%程度、定昇相当分を含む賃上げを5%程度とすることが示されました。
一方で、コロナ禍の影響が産別、産業に影響が残っていますし、回復もそれぞれ異なり、今もなお、深刻で苦しい環境にある産業も多く、生活者、企業にも影響があることも実態です。また、何よりも1997年から実質賃金が下がっています。いろいろな見方ありますが、労働分配率の問題、働く労働の価値への対価など、いろいろな要素を含んだ問題ですが、先送りにはするわけにはいかない状況です。
これらを鑑みて、今春闘は3つの視点での議論が必要だと考えております。一つには、実質賃金は中長期的に政策課題として継続して取り組む議論。二つには、そこにプラスアルファで急激な物価上昇に対する賃金引上げ議論、三つには、大きな目で全体の賃金の底上げと格差是正の議論が必要です。したがって、労使自治の中で、今までとは異なる次元での議論をすることが必要です。今年は、春に戦う春闘から春に討議をする春討と漢字を読み替え、労使の対立構造ではなく、持続的な賃金上昇につなげるために、双方で何が出来るのかを議論することが大切だと思います。
また一方で、マクロ的には賃上げに対する機運は高まっていることも実感しますし、賃上げの広がりと高さが求められ、その結果が日本経済の未来を変えるターニングポイントでもあります。しかし、実質賃金の引き上げ、中小企業の賃金引上げなど、一企業労使の議論にも限界が生じることも事実です。岸田首相が経済界、連合に対しインフレ以上の賃上げ実現を要請されておりましたが、要請ベースだけではなく、本質を見据えた具体的な政策を政労使の間でじっくりと議論して、スピードある政治判断が必要と考えます。
 

-政治情勢について-

今年の4月の統一地方選挙をはじめ各種の選挙の年となります。私は常々話をしておりますが、労働組合の政治へ向き合い方は、労働組合と政党や政治家の皆さんとは、機能や役割は異なりますし、政策がすべて同じではありません。ただ、様々な協力関係の中で信頼関係を作りながら、是々非々で議論をし、大きな方向性を模索し進んでいくことがベースにあると考えています。そして、議員の皆さんが、構成組織や組合員、さらには国民、県民、市民の皆さんから信頼できる政治、政治家だと認識してもらえることが大切だと考えています。一方で、私たちの生活は、政治のシステムで方向付けされていることがほとんどです。政治に無関心ではおられないわけで関連がすべてにあります。それを組合員、あるいは国民、県民、市民一人一人に、我々労働組合が組織として浸透させていくという仕事があり、言い換えれば社会運動としての役割が私たち連合滋賀にあるとことも認識し統一地方選挙に臨みたいと思います。さらに、国民に最も近い地方自治体における統一地方選挙は大きな節目となりますし、今年中にも行われると噂が走る、国政選挙に向けて、我々が支援する立憲民主党、国民民主党の地方基盤を強化することも大きな目的です。構成産別、連合議員団が一体となった取り組みが必要ですので、皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。
 

-組織強化・拡大について-

労働組合組織率が16.5%と過去最低になったとの報道がありました。連合滋賀としても真摯にこの結果を受け止めたいと思います。労働市場の一つの大きな課題として、非正規雇用、不安定雇用の格差や労働条件の低さがあります。そのような中で、我々は16.5%の組織された労働者だけの幸せや利益を追求することだけでは社会から労働運動が孤立することに繋がります。非正規労働者など80%強の未組織労働者を巻き込んだ取り組みを強化して、社会的運動にむすびつかなくてはなりません。そういった意味からも連合滋賀に集う私たちが、集団的労使関係を構築していくことこそが、未組織で働く仲間の処遇改善と働き方改革の推進につながるのであり、取り組みのさらなる強化に努めていきたいと思います。
 
2023年は兎年となります。兎には跳ねる特徴があるため、景気が上向きに跳ねる、回復すると言われており、株式市場にとっては縁起の良い年として知られています。また昨年末に、サッカーワールドカップで日本中に感動と勇気を与えてくれましたが、今年も、春にWBC(ワールドベースボールクラッシック)、世界フィギュアスケート選手権、夏には女子サッカーワールドカップ、そして秋にはラグビーワールドカップとスポーツビックイベントが続きます。他にも音楽や芸能、文化など、先に述べた環境下の時代であるからこそ、このようなイベントが喜びと感動、そして心を揺るがし、個々人の励みとなり、この難局を跳躍出来るものと思っています。
ご当地滋賀県では、全国で平均寿命が男性82.7歳で1位、女性88.2歳で2位ということです。その要因として、生活習慣では、たばこ、多量飲酒をする人が少なく、自然豊かで、スポーツやボランティアに取り組む人が多いなど、そして生活環境では、労働時間が短い、所得格差が少ない、図書館が多いなどのようです。
健康に十分留意され、皆さんにとって充実した素晴らしい一年になることを祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。

連合滋賀2023新春の集い,琵琶湖ホテル
立礼する三役
連合滋賀2023新春の集い,連合滋賀会長,白木宏司,琵琶湖ホテル
主催者代表挨拶 白木会長
連合滋賀2023新春の集い,滋賀県知事,三日月大造,琵琶湖ホテル
来賓挨拶 三日月滋賀県知事
連合滋賀2023新春の集い,滋賀経済産業協会副会長,大村昭洋,琵琶湖ホテル
来賓挨拶 滋賀経済産業協会 大村副会長
連合滋賀2023新春の集い,谷口一幹,自動車総連,連合滋賀副会長,琵琶湖ホテル
乾杯挨拶 谷口副会長
連合滋賀2023新春の集い,斎藤アレックス衆議院議員,琵琶湖ホテル
マイクリレー 斎藤衆議院議員
連合滋賀2023新春の集い,嘉田由紀子参議院議員,琵琶湖ホテル
マイクリレー 嘉田参議院議員
連合滋賀2023新春の集い,佐賀春樹,自治労,連合滋賀副会長,琵琶湖ホテル
中締め挨拶 佐賀副会長
back to page top