春季生活闘争の3月中旬のヤマ場に向け、メインスローガンに「みんなでつくろう、賃上げが当たり前の社会」またサブスローガンに「みんなでつくろう!働く仲間の労働組合」を合言葉に、昨年の賃上げの流れを継続していくことを呼びかけ、連合全体で継続的な賃上げの機運醸成などに向けて取り組む社会的なキャンペーン「連合アクション」の全国統一行動を2025年2月27日(木)に実施し、滋賀県は延べ約400名の組合員が集まり、県下4か所の主要駅で街頭行動を行いました。
私たち労働組合が先頭に立って企業に要求・交渉し、その成果を公表し、組合のない職場をはじめとする社会全体に賃上げのすそ野を広げ、物価だけでなく、賃金も経済も上向く好循環をつくっていく、そんな世の中を社会全体でつくっていきたいと考えております。
街頭では、賃金のベースアップ(ベア)とデフレマインドを洗い流すという事に因んだくま食器用スポンジ、チラシなど道行く人へ配布するとともにマイクアピールを行いました。
JR草津駅(メイン)
JR石山駅
JR彦根駅
JR近江八幡駅
連合滋賀代表マイクアピール
2024年の春季生活闘争では、33年ぶりの5%台の賃上げが実現しました。しかしながら、生活が向上したと実感している方は少数です。物価もその分上昇し、実質賃金は、3年連続で下がり続けており、まだまだ物価上昇に賃上げが追いついていないというのが現状です。
このような中で連合は、2025春闘、賃上げに向けて「みんなでつくろう!賃上げがあたりまえの社会」を合言葉に労働組合のナショナルセンターである、私たち連合が先頭に立ち、自分たちの労働組合のみならず、労働組合のない企業などにも賃上げの流れを波及させ、社会全体が賃上げを当たり前に行う、賃上げの定着をさせるべく活動を行っております。
賃上げがあたりまえの社会を実現するには、物価だけでなく、賃金も健全に上昇する好循環のサイクルをつくることが必要不可欠です。
昨年の春闘から見えた大きな課題は、平均としては5%の賃上げを実現できたものの、中堅・中小企業などは、その水準までには至らず、格差が拡大していることです。
この格差を是正していくためにも、連合の2025春闘の目標については、昨年と同水準の賃上げを行い、賃上げを定着させるべく、全体で賃上げ率5%以上を掲げ、特に中堅・中小企業においては、その格差を是正するため6%以上18,000円相当の賃上げを求める目標を掲げました。
社会全体の賃上げには、労働者の7割と言われる約4,000万人以上が働く中小企業での賃上げがカギを握っています。
中小企業の賃上げを実現していくためには、適切な価格転嫁を着実に進め、サプライチェーン全体で生み出した付加価値が適正に分配し、中小企業にも賃上げ原資をしっかりと分配する構造をつくっていかなければなりません。
しかし、中小企業の現場からは原材料費や労務費が上昇するなかで製品価格に、価格が転嫁できないという悲鳴が相次いで聞こえてきます。
連合は、この適切な価格転嫁を円滑に行い、中小企業においても賃上げがしっかりとできるよう、行政や経済団体に対しても対話し、取り組みを進めています。
企業の99%が中小企業であり、大手の下請である企業も多くあります。そういった企業間取引において、コスト削減のために下請への買いたたき行為が、未だに横行しています。
一昨年、こういった買いたたき行為の防止、適切な価格転嫁を進めるため、連合の働きかけもあり、政府から「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が公表されました。指針では、企業間取引の中で発注者側から受注者に対して価格協議の場を設け、積極的に価格転嫁に応じるように示されました。
また、サプライチェーン全体の付加価値向上、大企業と中小企業の共存共栄を目指して、発注者側の立場から宣言する、「パートナーシップ構築宣言」において、価格決定の方法などを明示するような取り組みも政府にて行われており、こういった施策をもっと周知徹底し、実効性を高めることが必要と考えています。
買いたたき行為は、下請企業の経営を苦しめ、下請企業で働く人の賃上げが進まず、日本国内の内需消費・経済力を低下させているといっても過言ではありません。それは日本国内全体のサービス・モノの売れ行きの低下にもつながります。
物価・人件費が上がる中、下請の価格交渉に応じて、適正な取引価格で取引を行い、共存共栄を実現できる企業こそ、高い企業価値があると評価される時代に変わりつつあります。今一度、企業間の取引価格について見直しをお願いします。
また、私たち消費者の考え方も変えていかなければいけません。
買い物で使ったお金が世の中の賃上げの原資となり、自分たちに返ってきます。安い方が良いといった考えは、自分たちの賃金も安くてよいと言っているのと同じことです。
例えば、「送料は無料が当たり前?」そんな訳ありません。物を送るには運送業で働く人がいて、そのおかげで物が届く。その人たちの賃金となる原資である送料が無料でよいのでしょうか?自分の家族が、運送会社の人だったらどう思いますか?私たちが買い物する時の考え方も変えていかないといけません。
厚生労働省では注目すべき数値を発表しています。2024年の春闘では労働組合がある企業の賃上げは4.5%、ない企業の賃上げは3.6%と、労働組合がある職場の賃金は1%も多く賃上げを実現しています。皆さんの職場に労働組合はありますか?
連合は、日常的に労働相談・組合づくりの相談を受け付けていますし、労働組合づくりのお手伝いを日本全国・各地域で行っています。
労働組合があれば、会社と対等に話し合う・交渉する場が持てる、職場環境改善に向けて、一人ひとりが声をあげることができるのです。労働組合のない企業の方は、ぜひ一度、連合にご相談いただけたら幸いです。
安心して働き、安心してくらせる社会を実現するために、ぜひ「賃上げ実現・くらし支援」に向けた連合の取り組みに、みなさんのご理解をいただき、私たちと一緒に声をあげ、賃金も物価も安定的に上昇する経済社会へと新たなステージを定着させていきましょう!
若手マイクアピール
今、私たちが直面している現実を見てください。生活費はどんどん上がり、物価は高騰しています。
私たち若者は、今の日本の現状に将来に対する不安を抱えながら日々働いています。
諸外国と比較すると、まだまだ、日本の賃金は大きく見劣りしています。アメリカやドイツ、フランス、お隣の韓国と比べても、労働者の賃金は日本よりも高い水準にあります。これらの国々では、物価が高いだけでなく、賃金もそれに見合った額が支払われております。
一方で、日本では労働者の賃金が長年にわたって停滞し続けてきました。過去約30年間、主要国の労働者は賃金が増加しているのに対し、日本の労働者の賃金はほとんど横ばいという状況が続いてきました。昨年の春闘はその流れが変わる兆しが見える春闘となりましたが、まだまだ日本の賃金は諸外国に比べると見劣りする賃金となっています。
最低賃金をみても、昨年やっと滋賀県も1000円を超える時給額となりましたが、諸外国では、最低賃金、時給額2000円を超える国もあり、低い日本の賃金水準は、優秀な人材の、海外の流出にもつながっております。
しっかりと日本全体で物価上昇に見合った賃上げを実現していかなければ、生活費が苦しくさらなる将来を担う子どもを産むことも諦める、さらには夢を持つことさえ諦めるような日本になっていくのではないでしょうか?
今、私たち若者が声を上げなければ、未来はますます暗くなるだけです。
春季生活闘争は、その闘いの重要な一歩となります。今、日本に足りないのは「人・未来への投資」です。この闘争で得られる賃上げによって日本が、賃金も物価も私たち一人ひとりの生活を支え、将来に対する希望を生み出します。
若者の未来、日本の未来は、この春闘にかかっています。
私たちが求めるのは、正当な賃金の増額です。
労働者全体の権利を守り、私たちの未来を切り開くために、皆さん、一緒に声を上げ、日本の明るい未来をつくっていきましょう。
女性マイクアピール
今年は、雇用における男女の均等な機会、待遇の確保等に関する法律である「男女雇用機会均等法」の制定から40年という年です。
その後、現在まで、ジェンダーを巡る環境は、法律をはじめ、少しずつ前進してきてはおりますが、文化や慣習、とりわけ性別役割分業意識は、依然として根強く残っています。
その結果、法制定から40年が経過してもなお、日本のジェンダーギャップ指数は、昨年時点で146カ国中118位です。特に、政治・経済分野において圧倒的に低位にあります。
滋賀県は全国的にみて男女間賃金格差の差異が大きく、平均継続勤続年数や管理職割合も低い水準にあるというのが厚生労働省のデータでもでています。こういった現状を解決するためにも、より一層の女性の就労を阻害するあらゆる要因を取り除く仕組みづくりが、どんな職場でも必要です。
多様な人材が活躍できる職場環境の整備は、現代社会が直面する人手不足の解消と持続可能な経済発展の鍵となります。さまざまな背景を持つ人材がその能力を発揮し、働くことを希望する誰もがやりがいを持ち、健康で安心・安全に働くことができる環境整備を進めていくことが必要です。
職場や社会の持続可能性を高めるには、ジェンダー平等を推進し、性別・年齢・国籍・障がいの有無・就労形態などにかかわらず、組織の中に多様な視点を取り入れることが不可欠です。
一人ひとりの人権を尊重される、そんな日本をこの春闘を通じて、みんなでつくっていきましょう!