春季生活闘争の3月中旬のヤマ場に向け、メインスローガンに「みんなでつくろう、賃上げが当たり前の社会」またサブスローガンに「みんなでつくろう!働く仲間の労働組合」を合言葉に、昨年の賃上げの流れを継続していくことを呼びかけ、連合全体で継続的な賃上げの機運醸成などに向けて取り組む社会的なキャンペーン「連合アクション」の全国統一行動を2025年2月27日(木)に実施し、滋賀県は延べ約400名の組合員が集まり、県下4か所の主要駅で街頭行動を行いました。
私たち労働組合が先頭に立って企業に要求・交渉し、その成果を公表し、組合のない職場をはじめとする社会全体に賃上げのすそ野を広げ、物価だけでなく、賃金も経済も上向く好循環をつくっていく、そんな世の中を社会全体でつくっていきたいと考えております。
街頭では、賃金のベースアップ(ベア)とデフレマインドを洗い流すという事に因んだくま食器用スポンジ、チラシなど道行く人へ配布するとともにマイクアピールを行いました。
JR草津駅(メイン)
JR石山駅
JR彦根駅
JR近江八幡駅
連合滋賀代表マイクアピール
2024年の春季生活闘争では、33年ぶりの5%台の賃上げが実現しました。しかしながら、生活が向上したと実感している方は少数です。物価もその分上昇し、実質賃金は、3年連続で下がり続けており、まだまだ物価上昇に賃上げが追いついていないというのが現状です。
このような中で連合は、2025春闘、賃上げに向けて「みんなでつくろう!賃上げがあたりまえの社会」を合言葉に労働組合のナショナルセンターである、私たち連合が先頭に立ち、自分たちの労働組合のみならず、労働組合のない企業などにも賃上げの流れを波及させ、社会全体が賃上げを当たり前に行う、賃上げの定着をさせるべく活動を行っております。
賃上げがあたりまえの社会を実現するには、物価だけでなく、賃金も健全に上昇する好循環のサイクルをつくることが必要不可欠です。
昨年の春闘から見えた大きな課題は、平均としては5%の賃上げを実現できたものの、中堅・中小企業などは、その水準までには至らず、格差が拡大していることです。
この格差を是正していくためにも、連合の2025春闘の目標については、昨年と同水準の賃上げを行い、賃上げを定着させるべく、全体で賃上げ率5%以上を掲げ、特に中堅・中小企業においては、その格差を是正するため6%以上18,000円相当の賃上げを求める目標を掲げました。
社会全体の賃上げには、労働者の7割と言われる約4,000万人以上が働く中小企業での賃上げがカギを握っています。
中小企業の賃上げを実現していくためには、適切な価格転嫁を着実に進め、サプライチェーン全体で生み出した付加価値が適正に分配し、中小企業にも賃上げ原資をしっかりと分配する構造をつくっていかなければなりません。
しかし、中小企業の現場からは原材料費や労務費が上昇するなかで製品価格に、価格が転嫁できないという悲鳴が相次いで聞こえてきます。
連合は、この適切な価格転嫁を円滑に行い、中小企業においても賃上げがしっかりとできるよう、行政や経済団体に対しても対話し、取り組みを進めています。
企業の99%が中小企業であり、大手の下請である企業も多くあります。そういった企業間取引において、コスト削減のために下請への買いたたき行為が、未だに横行しています。
一昨年、こういった買いたたき行為の防止、適切な価格転嫁を進めるため、連合の働きかけもあり、政府から「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が公表されました。指針では、企業間取引の中で発注者側から受注者に対して価格協議の場を設け、積極的に価格転嫁に応じるように示されました。
また、サプライチェーン全体の付加価値向上、大企業と中小企業の共存共栄を目指して、発注者側の立場から宣言する、「パートナーシップ構築宣言」において、価格決定の方法などを明示するような取り組みも政府にて行われており、こういった施策をもっと周知徹底し、実効性を高めることが必要と考えています。
買いたたき行為は、下請企業の経営を苦しめ、下請企業で働く人の賃上げが進まず、日本国内の内需消費・経済力を低下させているといっても過言ではありません。それは日本国内全体のサービス・モノの売れ行きの低下にもつながります。
物価・人件費が上がる中、下請の価格交渉に応じて、適正な取引価格で取引を行い、共存共栄を実現できる企業こそ、高い企業価値があると評価される時代に変わりつつあります。今一度、企業間の取引価格について見直しをお願いします。
また、私たち消費者の考え方も変えていかなければいけません。
買い物で使ったお金が世の中の賃上げの原資となり、自分たちに返ってきます。安い方が良いといった考えは、自分たちの賃金も安くてよいと言っているのと同じことです。
例えば、「送料は無料が当たり前?」そんな訳ありません。物を送るには運送業で働く人がいて、そのおかげで物が届く。その人たちの賃金となる原資である送料が無料でよいのでしょうか?自分の家族が、運送会社の人だったらどう思いますか?私たちが買い物する時の考え方も変えていかないといけません。
厚生労働省では注目すべき数値を発表しています。2024年の春闘では労働組合がある企業の賃上げは4.5%、ない企業の賃上げは3.6%と、労働組合がある職場の賃金は1%も多く賃上げを実現しています。皆さんの職場に労働組合はありますか?
連合は、日常的に労働相談・組合づくりの相談を受け付けていますし、労働組合づくりのお手伝いを日本全国・各地域で行っています。
労働組合があれば、会社と対等に話し合う・交渉する場が持てる、職場環境改善に向けて、一人ひとりが声をあげることができるのです。労働組合のない企業の方は、ぜひ一度、連合にご相談いただけたら幸いです。
安心して働き、安心してくらせる社会を実現するために、ぜひ「賃上げ実現・くらし支援」に向けた連合の取り組みに、みなさんのご理解をいただき、私たちと一緒に声をあげ、賃金も物価も安定的に上昇する経済社会へと新たなステージを定着させていきましょう!
若手マイクアピール
今、私たちが直面している現実を見てください。生活費はどんどん上がり、物価は高騰しています。
私たち若者は、今の日本の現状に将来に対する不安を抱えながら日々働いています。
諸外国と比較すると、まだまだ、日本の賃金は大きく見劣りしています。アメリカやドイツ、フランス、お隣の韓国と比べても、労働者の賃金は日本よりも高い水準にあります。これらの国々では、物価が高いだけでなく、賃金もそれに見合った額が支払われております。
一方で、日本では労働者の賃金が長年にわたって停滞し続けてきました。過去約30年間、主要国の労働者は賃金が増加しているのに対し、日本の労働者の賃金はほとんど横ばいという状況が続いてきました。昨年の春闘はその流れが変わる兆しが見える春闘となりましたが、まだまだ日本の賃金は諸外国に比べると見劣りする賃金となっています。
最低賃金をみても、昨年やっと滋賀県も1000円を超える時給額となりましたが、諸外国では、最低賃金、時給額2000円を超える国もあり、低い日本の賃金水準は、優秀な人材の、海外の流出にもつながっております。
しっかりと日本全体で物価上昇に見合った賃上げを実現していかなければ、生活費が苦しくさらなる将来を担う子どもを産むことも諦める、さらには夢を持つことさえ諦めるような日本になっていくのではないでしょうか?
今、私たち若者が声を上げなければ、未来はますます暗くなるだけです。
春季生活闘争は、その闘いの重要な一歩となります。今、日本に足りないのは「人・未来への投資」です。この闘争で得られる賃上げによって日本が、賃金も物価も私たち一人ひとりの生活を支え、将来に対する希望を生み出します。
若者の未来、日本の未来は、この春闘にかかっています。
私たちが求めるのは、正当な賃金の増額です。
労働者全体の権利を守り、私たちの未来を切り開くために、皆さん、一緒に声を上げ、日本の明るい未来をつくっていきましょう。
女性マイクアピール
今年は、雇用における男女の均等な機会、待遇の確保等に関する法律である「男女雇用機会均等法」の制定から40年という年です。
その後、現在まで、ジェンダーを巡る環境は、法律をはじめ、少しずつ前進してきてはおりますが、文化や慣習、とりわけ性別役割分業意識は、依然として根強く残っています。
その結果、法制定から40年が経過してもなお、日本のジェンダーギャップ指数は、昨年時点で146カ国中118位です。特に、政治・経済分野において圧倒的に低位にあります。
滋賀県は全国的にみて男女間賃金格差の差異が大きく、平均継続勤続年数や管理職割合も低い水準にあるというのが厚生労働省のデータでもでています。こういった現状を解決するためにも、より一層の女性の就労を阻害するあらゆる要因を取り除く仕組みづくりが、どんな職場でも必要です。
多様な人材が活躍できる職場環境の整備は、現代社会が直面する人手不足の解消と持続可能な経済発展の鍵となります。さまざまな背景を持つ人材がその能力を発揮し、働くことを希望する誰もがやりがいを持ち、健康で安心・安全に働くことができる環境整備を進めていくことが必要です。
職場や社会の持続可能性を高めるには、ジェンダー平等を推進し、性別・年齢・国籍・障がいの有無・就労形態などにかかわらず、組織の中に多様な視点を取り入れることが不可欠です。
一人ひとりの人権を尊重される、そんな日本をこの春闘を通じて、みんなでつくっていきましょう!

『みんなでつくろう!賃上げがあたりまえの社会』のスローガンのもと、働く仲間約1,300名が集まり、2025春季生活闘争のスタートに向け、連合組合員の意志結集をはかるとともに、地域社会へアピールする開始宣言大集会を大津市民会館にて2025年2月9日(日)に開催しました。
本来の予定では、ひこね市文化会館にも1,500名の組合員が集まりWEB中継での2会場同時開催の集会とすることを企画しておりましたが、雪の影響により彦根会場は中止し、大津会場のみでの開催となりました。
冒頭、各構成組織からの春闘開始に向けたメッセージ動画から始まり開会、主催者代表挨拶を連合滋賀白木宏司会長、激励に連合滋賀議員団会議田中松太郎会長、国民民主党滋賀県連河井昭成代表、立憲民主党滋賀県連今江政彦代表が挨拶を述べました。
その後、中小労組を代表し連合滋賀中小労組連絡会議の山本博之議長、女性組合員を代表し連合滋賀女性委員会の松本有子委員長、パート・非正規を代表し片岡佐由美氏から各立場からのアピールを行いました。
また、今年の夏に行われる予定の参議院選挙に向けて、全国比例の産別候補者10名の連合滋賀推薦候補者紹介するとともに、連合滋賀佐賀春樹副会長から滋賀県選挙区の推薦決定に向けての現況を説明しました。
連合滋賀青年委員会の辻元光委員長が闘争開始宣言文を提案し、満場の拍手で採択されました。
最後には、参加者全員でシュプレヒコールによる春闘開始に向けたアピール、がんばろう三唱にて賃上げを勝ち取る心合わせを行いました。
本日を皮切りに各単組にて春闘交渉が始まります。2月27日には、3月に予定するヤマ場に向けた世論喚起を行う連合全国一斉によるアクション街頭行動を予定しております。連合の加盟組織のみならず、社会全体で物価上昇に負けない賃上げのサイクルを共につくっていきましょう!
連合滋賀2025春季生活闘争 闘争開始宣言
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賃上げがあたりまえの社会。その実現にむけて、「未来づくり春闘」がいよいよスタートする。
いまこそ、ノルムを変えるときだ。これまでは、物価も、賃金も、上がらないのがあたりまえ。物価や賃金が上がっても、価格転嫁できないのがあたりまえ。長く続いてきた、この“あたりまえ”が変化しつつある。それは我々が、「人への投資」を訴え、必死の交渉を積み上げてきたからである。この流れを社会の隅々まで波及させ、定着させなければならない。
生活向上をめざし、みんなで声をあげ、要求しよう。昨年の賃上げは、ステージ転換にむけた大きな一歩であったものの、多くの働く仲間には生活向上の実感がない。物価高は家計を圧迫し、人手不足で現場の負荷は高まっている。いまこそ、労働組合の出番である。みんなの声を結集し、よりよい職場、よりよい社会、よりよい未来をつくっていこう。
労働組合があるからこそ、要求し、労使対等な交渉ができる。そのためには、仲間づくりも欠かせない。労働組合の要求が、企業を動かし、社会を巻き込み、“あたりまえ”を見直す起点となる。私たちは、中小企業や労働組合のない職場で働く仲間の賃上げも“あたりまえ” とし、みんなの生活向上、経済の好循環を実現していく。
みんなでつくろう!賃上げがあたりまえの社会。
みんなでつくろう!働く仲間の労働組合。
連合滋賀は、ここに2025春季生活闘争の開始を宣言する。
関連リンク
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2025春季生活闘争に向けた「賃金学習会」を2025年1月22日(水)・23日(木)の1日目キラリエ草津、2日目彦根勤労福祉会館と二日間の日程で二会場で開催し、述べ78名の方が参加しました。連合労働条件・中小地域対策局より1日目は酒井伸広氏、2日目は小菅元生氏から春季生活闘争方針解説、地域ミニマム運動の活用などについて説明いただくとともに、1日目・2日目ともに個別賃金の取組事例をJAM京滋の庄野英夫氏から現場の取り組みの仕方について解説いただきました。
- 【賃上げ目標値】
- 【地域ミニマム運動の活用・個別賃金の把握の重要性】
具体的内容については、以下のポイントを説明され、その他、具体的な労使交渉での交渉の仕方などもお話いただきました。
●昨年の2024春闘では全体で5.10%の賃上げを実現できたが、中小においては4.45%の賃上げで留まっていることから格差については広がってしまった。2024春闘は賃上げのステージ転換をしようという事を目指し、2025春闘においてはその定着を目指す。5%を目安、中小においては格差是正分を含み6%の賃上げをすることを目標とする。
【賃上げのための環境整備】
●賃上げが当たり前の社会となるよう環境整備が必要であり、そのためには適正な価格転嫁、特に労務費への価格転嫁が必須である。
●2024年9月に中小企業庁にて実施された価格転嫁フォローアップ調査において、直近6ヶ月で「価格交渉を行った」と回答した企業は86.4%で交渉は行われているものの、価格転嫁の状況では「転嫁できなかった」「マイナスとなった」という企業も20.1%と依然として転嫁ができていない企業との二極化がみられる。サプライチェーンの各段階で見ると受注側の取引段階が、1次請け、2次請けと深くなるにつれ価格転嫁割合が低くなり、価格転嫁できていない企業ほど賃上げ率が低い傾向にある。
●労働組合においては連合が作成した価格転嫁に向けたチェックリストを参考にして自社がしっかりと価格転嫁に向けて取り組みが行えているか労働組合側としてもチェック・働きかけを行うことが大事である。
<チェックリスト>
●連合においては、中小零細企業の価格転嫁が進むよう「労務費の適正な転嫁のための価格交渉に関する指針」、パートナーシップ構築宣言、下請適正取引等推進のための業種ガイドライン」の周知・実効性の強化、また下請法の改正に向けて全力で取り組んでいく。
●労働組合において、賃上げ交渉には自社の賃金実態の把握が必須であり、賃金実態が把握できていないと賃上げが低いという実態もある。
●賃金制度がある場合も実際の個々の賃金を収集して見比べないと、中だるみや分布のバラツキなどもでてくる可能性がある。
●連合の地域ミニマム運動に参加いただくと地域相場や、規模間の相場、業種の相場などもわかり、交渉の材料となる。
●会社の経営状況についても定期的な労使協議会をしっかりと行って、知っておくことや財務諸表などについてもチェックしておく必要がある。

『みんなで賃上げ。ステージを変えよう!』のスローガンのもと、働く仲間約3,500人が集まり、2024春季生活闘争の交渉の促進とヤマ場にむけて、連合組合員の意志結集をはかるとともに、地域社会へアピールするための決起集会を大津市なぎさ公園おまつり広場にて2024年3月2日(土)に開催しました。
冒頭、主催者代表挨拶を連合滋賀白木宏司会長が述べ開会、激励に、連合滋賀議員団会議田中松太郎会長、国民民主党滋賀県連河井昭成代表、立憲民主党滋賀県連今江政彦代表に、ご挨拶をいただきました。
その後、電機連合の原田康氏、JAMの庄野英夫氏、中小労組を代表し山本博之氏、パート・非正規を代表し川添まゆ美氏にそれぞれ2024春闘に向けて情勢報告・決意表明を述べ、連合滋賀女性委員会の松本有子女性委員長が集会アピールを提案し採択されました。
集会後は、参加者全員でデモ行進を実施、滋賀県で働く仲間に広く訴えかけました。
連合滋賀2024春季生活闘争総決起集会アピール
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2024春季生活闘争は、いよいよヤマ場を迎える。
われわれは、本集会において、すべての働く仲間の生活向上につながる賃上げをめざし、2024闘争を最後まで粘り強く闘い抜く決意を改めて確認した。
物価高のもと、私たち働く者のくらしは厳しさを増している。人手不足で一人ひとりの負荷が増している。賃上げへの期待はかつてなく高まっている。デフレマインドを完全に払しょくし、生活の安定、個人消費の拡大、わが国全体の生産性向上、人材の確保・定着と人材育成につなげるためにも、昨年を上回り、物価を上回る賃上げを実現しなければならない。
現在、多くの組合が精力的に交渉を進めている。私たち労働組合は、職場や地域で働く仲間の生活向上への期待を力に変え、社会的うねりをつくりだしていく。
あわせて、連合がめざす「働くことを軸とする安心社会-まもる・つなぐ・創り出す-」の実現に向け、私たちの求める政策・制度要求への取り組みを強力に推進していく。
2024闘争は、経済も賃金も物価も安定的に上昇する経済社会へとステージ転換をはかる正念場である。労使は社会的責任を果たすため、今こそ答えを出す時である。
組合員はもとより、すべての働く仲間へと持続的な賃上げの流れを波及させる。この断固たる決意をもって、組合員の総意と組織の総力を結集し、最後の最後まで、ともに闘い抜こう!
関連リンク
連合は高騰する物価に賃金が追いつかず、日々の生活は苦しくなっています。「賃上げを!」という皆さん一人ひとりの声を、賃金も物価も緩やかに上昇する経済の好循環につなげ、経済社会のステージ転換をはかるために、連合全体で継続的な賃上げの機運醸成などに向けて取り組む社会的なキャンペーン「連合アクション」の全国統一行動を2024年2月22日に実施し、滋賀県はJR草津駅前にて街頭行動を行いました。
街頭では、賃金のベースアップ(ベア)とデフレマインドを洗い流すという事に因んだくま食器用スポンジ、滋賀県最低賃金のウェットティッシュ、チラシなど道行く人へ配布するとともに連合滋賀白木会長と、榎並副会長がマイクアピールを行いました。
締めくくりには、松井副会長の発声によるガンバロウ三唱で「みんなで賃上げ」を実現に向けて、一致団結して取り組みことをアピールしました。
白木宏司会長マイクアピール
昨年、2023年は、30年ぶりの高水準で賃上げが行われました。しかしながら、物価高が続いたことによって、実質賃金はマイナスとなり、家計の負担が増えています。
30年前に比べると賃金が低い低所得者層が増え、そういった賃金の低い人ほど、物価高は生活に対する影響も大きく、何かしらの節約をせざるをえない方々が増えています。こういった節約の流れは、日本全体でモノが消費されないモノが売れない日本をつくり、より日本全体が安いモノでないと売れないデフレの国にしています。
また、少子高齢化・人口減少社会によって生産年齢人口が減少し、日本は慢性的な人手不足が課題となっています。国際的にみても見劣りする日本の賃金は、人手確保をさらに困難なものとして人手不足をさらに加速させ、日本経済をさらに衰退させることになります。
しかし、これは物価が高くなっていることが悪いことであるからというわけでもありません。物価の上昇とともに、日本全体の賃金水準が上がっていかないことに問題があります。
これまでの人件費を抑え、コストカット競争によって競争力を維持してきた日本経済の悪い循環を「みんなで賃上げ」で日本全体の個人消費の拡大を促し、「人への投資」によって日本全体の企業の活性化につなげイノベーションを創出する、よい循環へと変えていかなければなりません。
今回の2024春季生活闘争では、日本がしっかりとデフレマインドを払拭し、賃金も物価も持続的に上がる国なれるかの正念場です。
先日、2月16日には滋賀県において、地方版政労使会議「働き方改革推進協議会」が開催され、三日月知事、労働局長など行政機関、経済団体とともに、私も出席し、意見交換を行いました。
その中で、適切な価格転嫁を伴う持続的な賃上げの推進による県内企業の成長と労働者の所得向上の実現を目指して、連携して取り組んでいくことを共同メッセージとして示しました。
この滋賀県の地方版政労使会議を一度の形式的な会議で終わらせることなく、この共同メッセージを皮切りに滋賀県内におけるすべての働く人たちの賃金水準の向上、また企業の生産性の向上や、人材確保・人材育成支援、企業の成長につながる支援策などにつなげていくために連合滋賀も全力で取り組んでまいります。
2024年春闘にて、昨年の賃上げの流れをしっかり持続的なものとして、経済も賃金も物価も安定的に上昇する経済社会へとステージ転換をはかる正念場と考え、社会全体で問題意識を共有し持続的な賃上げを実現していきましょう。
榎並副会長マイクアピール
今回の春季生活闘争では、日本がしっかりとデフレマインドを払拭し、賃金も物価も持続的に上がる国になれるかの正念場で、特に社会全体で賃上げを実現するには、労働者の7割にあたる、約4,000万人以上が働く中小企業における賃上げがカギを握っています。中小企業で働く仲間の賃上げ実現に向けては、価格転嫁というものが重要になってきます。
価格転嫁とは、企業が原材料費や人件費などのコスト増加分を製品やサービスの価格に反映させることです。
立場の弱い中小企業はなかなか、取引先などへ価格を上げづらいといった課題があります。
中小企業で働く仲間の賃上げ実現に向けて、適切な価格転嫁を着実に進め、サプライチェーン全体で生み出した付加価値が適正に分配されなければならないんです。
昨年11月に政府から「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が出されました。これは、働く人の人件費など、労務費の価格転嫁に関して、発注者・受注者双方の立場から取るべき行動を示したものです。
この指針では、下請け企業などの受注者と、親会社などの発注者との取引価格について定期的に協議することや、もし、協議することもなく、長年価格を据え置いたりすると、「優位的地位の濫用」や「買いたたき」などの法的な問題となる恐れがあることなどが記載されています。
つまり、この指針に記載された行動指針に沿わないような行為をすることで、公正な競争を阻害する恐れがある場合には、公正取引委員会が、厳正に対処することが、明確に打ち出されたのです。この指針が、中小企業の経営者のみなさんにも広く周知され、十分に活用されるよう、連合も様々な場面で働きかけています。
また、価格転嫁を行っていくためには、モノやサービスは安ければ安いほどよいということではなく、働きの価値に見合った適正な価格が大事だ、ということが多くの皆さまに理解をしていただくことも非常に重要となってきます。
良いモノの価値を社会で認め合い、しっかりとモノの価値に見合った価格で買っていただくことで、そのお金が社会経済を回す原資になります。これは、まわりにまわって、自分たちの賃金に返ってくるということです。
みんなでモノが適正な価格で取引される日本をつくって、デフレ脱却を行い、その原資をしっかりと「みんなで賃上げ」で格差是正などにつなげ、日本全体を活力ある国に変えていきましょう!何卒、ご理解よろしくお願いいたします。
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2024春季生活闘争に向けて、滋賀県、(一社)滋賀経済産業協会、連合滋賀で共催している「経営労働フォーラム2024」を2024年2月2日(金)にクサツエストピアホテルにて開催しました。
連合から総合政策推進局の仁平章総合局長より「連合2024春季生活闘争とりまく情勢と方針」、日本経済団体連合会から労働政策本部の平田充総括主幹より「2024年版経営労働政策特別委員会報告について」それぞれ解説が行われました。
双方とも2023春闘にて、30年ぶりの大幅な賃上げが実現できたが、この1年の物価上昇を超える賃上げには至らず、実質賃金はマイナスであり、2024年も昨年を超える賃上げが必要である事を述べられました。また、日本全体で賃上げを実現させるために、価格転嫁が重要であることについて連合・経団連ともに主張されました。
解説後は、時局講演「2024春闘に労使はどう臨むか?」と題し(独)労働政策研究・研修機構理事長で、法政大学名誉教授の藤村博之先生にご講演いただき、日本の労使関係は役割を失い、形だけの形骸化している点などを指摘されました。日本の賃上げが上がってこなかったことに対しても、そもそも日本の売上高に占める人件費の割合はそこまで今は高くなく、労働組合が経営者側の説明に理解し、賃上げを我慢しつづけ、経営者側はコスト競争にはしり、イノベーションを起こしてコスト競争以外で競争力を高めないといけなかった事に対し日本はそうなっていないことをご説明されました。
労働組合は会社と同じ数字の論理ではなく、違う論理で話さなければならないこと、労使がともに自分たちの役割をしっかりと果たしていくことが必要であり、その激論の中から新しいものが生まれると述べられました。